FP4 ファイナンシャルプランニング 資金繰りのためには預貯金口座の管理が大事です

nekosan

ファイナンシャル・プランニング技能士1級(国家資格),情報処理安全確保支援士(国家資格),その他CFP資格,PRM(プランナー・オブ・リスクマネジメント)資格保有 保険会社,法律事務所勤務を経て現在は独立系FPとして稼働

 

経営者の方の資金繰りにとっての預貯金口座管理の重要性 

⑴ 経営者の方,特に個人事業主の方は資金繰りのため事業のお金と個人のお金をきちんと分けられているでしょうか?

 個人事業主の方は確定申告お疲れさまでした。

 今回は,預貯金口座の管理についてのお話です。

 お勤めの方の場合は,お金の管理のために銀行口座を絞ろうと思えば,メインバンク,給与振込口座,ゆうちょ銀行の3行くらいに絞ることそう難しくはないと思います。

 これに対し,経営者の方の場合は,取引先との関係で,メインバンクやゆうちょ銀行の他,複数の銀行に口座を作らざるを得ないことがままあります。

 もっとも,会社経営者の方は,

会社のお金と個人のお金は別ものである

という本来当たり前のところさえきっちりされていれば,入り口の部分である預貯金口座の管理について問題が生じてしまうということはあまりないと思います。

 これに対し,個人事業主の方は,事業に使うお金と専ら私的なお金の区分が曖昧になりがちなことから,入り口の部分である預貯金口座の管理自体からして複雑となりがちです。

 それに加え,個人事業主の方は,出口の部分である支出についても,事業の支出と個人の支出とがごちゃまぜになり,その結果,

お勤めの方以上に訳の分からないうちにお金を使ってしまい収支が当初の予想と大きく異なってしまった

という事態が生じやすいと言えます。

 実際,収支状況を改善されたいというご趣旨でこれまでご相談いただいた方を①お勤めの方,②個人事業主の方,③会社経営者の方に分けると,収支が一番複雑化しているのは圧倒的に②の方で,次が①の方,最後が③の方といった感じです。

⑵ 個人事業主の方が資金繰りのために意識すべきこととは?

 以上のとおり,個人事業主の方は,専ら私的な収支の問題と事業の収支の問題が複雑に絡み合うため,それを解きほぐすのは容易ではありません。

 ですが,それでも

今から収支を改善していくことは十分可能

です。

 そのためには,個人事業主の方は,まずは私的な支出の部分につき,

お金の出口を意識し,管理できる状況を作ること

を意識してください。

 これについては,会社員や事業所にお勤めの方向けの記事に詳細を載せています(下記リンク参照)。

参考:お金の出口は少なく

次に,個人事業主の方は,それに加え,

入口である預貯金口座を整理する

という点も意識してください。

 これは,預貯金口座を減らすということをそのまま意味するものではありません。

 預貯金口座が多くても良いので,それらを,まずは

この銀行は個人用の入金,この銀行は事業用の入金等のように,入っているお金の意味を明確にする

ことを意味します(収入面の明確化)。

 その上で,支出についても,

同じカテゴリーの引き出しは同じ口座にまとめる

等,できる限り支出の意図が明確になるよう整理してみましょう(支出面の明確化)。

 もし,毎月の収支が肌感覚と異なり赤字となっているがその原因が分からないという個人事業主の方は,個別のファイナンシャルプランニングの前に,このような枠組みから整理されても良いのではないでしょうか。

参考:従業員の解雇や雇止めは難しい

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